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    BALI ISLAND, AMANKILA HOTEL 2002

 

 バリ島に行ったのは、旅行会社のパンフレット作成のための取材旅行だった。2002年、カメラマンの諸田透さんといっしょ。2週間弱で、35のホテルを回る。それらの中には、アマン系リゾートホテル「アマンキラ」「アマンダリ」「アマヌサ」「ザ・レギャン」「ザ・チェディ」も含まれていた。中でも「アマンキラ」は、それまでのリゾートホテルの概念を変え、世界的ブームをつくりだすほどの衝撃を与えた特別な存在だ。

 アマン系のホテルの多くは、アプローチからエントランスに至る部分は、静かに、さり気なく始まる。そこには人を驚かすような、威圧するようなものはほとんどない。「アマンキラ」も車の駐車スペースからチェックインする建物までは、特別な感じは漂っていない。しかし、それがすでにアマン独特の演出の始まりなのだ。ひっそりとした、質素感さえ漂う空間(写真左)でチェックインを済ませると、外からの光に導かれるように歩き出す。すると大海原に連続していく棚田形式の3つのプールが作り出す光景が、視野にとびこんでくる(写真右)。

 このバリ島への取材旅行が、後の東南アジアとの出会いのイントロになってくれたような気がしている。