*取材で訪れた鎌田氏ご自宅近くの公園風景

 

 雑誌「Webデザインノート」Vol.1

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 ウェブ・クリエーターの資質


 鎌田のクリエイティブの基本になっているのは、インタラクティブと90度のグリッド性だ。それを「遊び」の要素と「厳密さ」と言い換えてもいい。その資質は、小学校の教室の椅子に座った時点から発揮されている。彼は給食用のティッシュペーパー・ボックスに迷路をかいて、友人に渡し、彼らが楽しむのを見ているのが好きだった。漫画を描いても、人はそれを読むだけだが、迷路なら遊ぶことができる。勉強用のノートには、まず定規で縦線が引かれた。書き始めの文字をキレイに揃えるためだ。長じてウェブ・デザイナーになってから、彼は画面が整理しつくされたモダンなスタイルを選び取り、コンテンツの中にインタラクティブ性を盛り込んでいくが、それは特別なことではなかったのである。


 もうひとつ、鎌田は中学高校時代の6年間、スポーツマンとして過ごしている。野球部とラグビー部。野球では神戸市のベストナインに選ばれ、ラグビーでは敵陣に突進するフォワードだった。鎌田が作るコンテンツに感じられる自由な伸びやかさは、グラウンドで汗を流してプレイした6年間と無関係ではない。