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「旅について」
43歳(2004年)の6月まで、「旅」は自分にとってまったく身近なものではなかった。むしろ出張などが入いると、前日気が重くなった。支度をして家を空けることが面倒くさかった。だったら家で何かしている方が充実した時間が過ごせると思っていたし、事実そうだった。だから普通なら羨ましがられるような海外出張なども他のスタッフに振り、どうしても自分が行かなくては作業が進まない場合だけ、出かけるようにしていた。
それが2004年6月を境に、まったく状況は逆転し、日本にいても異国ー具体的にはタイのバンコクの空を感じているようになった。